JFEホールディングスへの転職前に、有価証券報告書で確かめること

このページは、JFEホールディングスを中途で受ける人と、いまJFEホールディングスにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「鉄鋼事業の利益380億円が、商社事業402億円に抜かれた——4万1,654人で1人あたり91万円」です。

決算の要点(有報から3点)

ROE 2.7%。5期前の15.7%から、ほぼ6分の1。当期利益701億65百万円(△23.6%)に対し、親会社所有者帰属持分は2兆6,195億35百万円まで積み上がっています。事業利益1,353億円は横ばいでしたが、それ自体が「棚卸資産評価差等の一過性の要因」に支えられた横ばいでした。PERは5期連続で上昇し16.5倍。利益が縮むなかで株価が保たれている構図で、市場が織り込んでいるのは足元の利益ではなく、構造改革とGX投資の先だと読めます。

鉄鋼事業の利益380億円が、商社事業402億円に抜かれた。従業員は鉄鋼41,654人、商社8,744人で、4.8倍の人数差があります。1人あたりセグメント利益は鉄鋼91万円、商社460万円、エンジニアリング214万円。そしてエンジニアリングは受注高・受注残高とも過去最高(受注+44.3%、受注残高1兆2,235億円=年間売上の2.0年分)。「鉄を作る会社」としての収益力が落ち、周辺事業が支えている——それが当期の姿です。

投資は増やさざるを得ず、フリーキャッシュ・フローはマイナス737億円。投資活動のキャッシュアウトは前期比1,696億円増の4,527億84百万円、有利子負債は1兆9,593億円(+1,929億円)。使途はGX・DXの戦略投資と製造基盤整備です。そして有形固定資産2兆399億74百万円(総資産の34.6%)について、監査法人は「減損の兆候」をKAMに挙げました。メタルスプレッドが崩れれば、この2兆円が減損の対象になり得る——そこが最大のリスクです。「8次中期経営計画による一部設備の休止等を含む最適生産体制再構築」が進行中であることも、監査手続の記述から確認できます。

転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)

6万1,628人の内訳——鉄鋼41,654人で1人あたり91万円

商社は8,744人で460万円。5倍の差

持株会社は60人。JFEスチール14,747人・778万3千円

3社とも年収が前期比マイナス。このシリーズで初めて

JFEエンジニアリング1,020万5千円

同じグループで、鉄鋼より242万円高い

中途でこの会社を受けるなら

受注残高が年間売上の2.0年分ある事業がある

経営企画部長が唸る逆質問10本

ROEが2.7%の会社に、何を聞くか

入社後も、自分で有報を読み続けるために

毎年見るべき3か所

面接までの3ステップ

① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る

有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。

② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る

注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。

③ その数字から、逆質問を1本作る

上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。

よくある質問

Q. 数字の出典は何ですか。
A. 各社が金融庁に提出した有価証券報告書と決算短信です。EDINET(金融庁の開示システム)で誰でも無料で原文を確認できます。
Q. 無料で読める範囲はどこまでですか。
A. note記事の投資家向けパート(決算の解剖)は無料で読めます。社員・転職者向けのパート(人員の配置、年収と勤続の中身、逆質問)が有料で、2,480円の買い切りです。