LIXILへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、LIXILを中途で受ける人と、いまLIXILにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「自己資本の78.3%は、2013年と2015年に買った2社ののれんと商標権——ROE 1.3%、全社費用は事業利益の51.9%」です。
決算の要点(有報から3点)
事業は稼いでいるが、本社と金融費用で消えている。セグメント利益(事業利益)は799億90百万円で+14.1%と改善しました。しかし全社費用414億90百万円(セグメント利益の51.9%)、その他の費用194億59百万円、金融費用168億71百万円を経て、税引前利益は157億8百万円にとどまります。有報は全社費用を「主として当社の人事、総務、経理等の管理部門に係る費用」と説明しています。事業の収益性を上げる以上に、本社コストの削減余地が大きい——それが、この調整表から読める構図です。ROE 1.3%、PER 57.2倍という数字は、利益がほぼゼロであることの裏返しであり、水準として読むものではありません。
自己資本の78.3%は、10年以上前に買った2社ののれんと商標権。LIXIL Europe(GROHE、2015年4月取得)の4,647億29百万円、ASD Holding Corp.(2013年8月取得)の560億92百万円。合計5,208億21百万円は、総資産の27.6%、親会社の所有者に帰属する持分6,648億38百万円の78.3%です。そして両方とも減損の余裕度が数字で開示されており、特にASDは「成長率が1.0%下落、または割引率が0.9%上昇で減損」。北米の住宅市場は高金利で低迷が続いています。——この2つの資産の評価が、この会社の自己資本を左右します。
主要3市場すべてに逆風。国内は構造を変えている最中。監査法人は「欧州は建設コスト上昇等により引き続き軟調、米国は高い金利水準の継続を背景として引き続き低調」「国内ではリフォーム需要は継続して増加する一方、新設住宅着工戸数の落ち込みによる新築向け需要は低迷」と記載しました。そのなかで、当期からセグメントを2区分から3区分へ変更し、「リビング事業」を新設しています。理由は「国内事業の収益性改善という優先課題」。キッチン・洗面とインテリアを1つにまとめたわけです。売上は1兆5,000億円で横ばいが4期続いており、成長ではなく構造改革のフェーズにあります。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
4万8,073人の内訳——ウォーターテクノロジーが26,440人
5期で3,567人減っている
提出会社15,128人・平均年間給与729万6,288円
平均勤続20.3年は、このシリーズでも長い部類
勤務地限定社員制度を2026年4月1日に廃止した
女性従業員が多かった制度を、なくす
女性管理職7.9%——目標は2030年3月期までに全世界で30%
ハイポテンシャル人材に占める女性は35%
中途でこの会社を受けるなら
3事業の利益率は5.6%・5.2%・4.3%
経営企画部長が唸る逆質問10本
全社費用と減損の感応度を、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。