三菱重工業への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、三菱重工業を中途で受ける人と、いま三菱重工業にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「受注残高13兆2,377億円は、売上の2.7年分」です。
決算の要点(有報から3点)
この会社は、損益計算書より受注残高を見る会社。受注残高13兆2,377億円は売上の2.66年分で、前期比+29.3%。うちエナジー6兆9,832億円(+42.0%)と航空・防衛・宇宙4兆632億円(+15.6%)で83.4%。データセンター由来の電力需要、原子力、防衛・艦艇——需要の出どころが構造的で、短期で消えにくい性質のものばかりです。来期以降の売上は、すでにかなりの部分が決まっています。
現金が2倍になったのは、稼いだからだけではない。営業キャッシュ・フロー9,426億円の増加要因に「受注拡大に伴う契約負債の増減額」が明記されています。前受金です。現金1兆3,349億円は、将来こなすべき仕事の代金を先に受け取っている分を含む——この性質を理解せずに手元資金の厚さだけ見ると、判断を誤ります。
目標は前倒しで達成しつつあり、次は株価との距離。事業利益率8.69%とROE12.22%は、2026年度目標を1年前倒しで達成。一方でPERは42.72倍まで上がっています(5期前は11.89倍)。利益の実績はすでに織り込まれつつある水準で、今後は受注残高13兆円をどの利益率で消化できるかが焦点になります。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
7万8,793人のうち、航空・防衛・宇宙は1万2,048人
1人あたり事業利益が最も高いのは、人数が3番目の事業
提出会社2万3,373人、平均年間給与1,072万4,514円
本体が連結の29.7%を占める、珍しい構造
物流・冷熱・ドライブシステムは、本体に33人しかいない
連結2万2,025人との落差
女性管理職2.9%
連結子会社28社の数字も、全部並んでいる
中途でこの会社を受けるなら
本体の78.3%は、たった2つのセグメントにいる
経営企画部長が唸る逆質問10本
受注残高2.7年分の会社に、何を聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。