MARUWA(5344)の企業研究——有価証券報告書で読む

このページは、MARUWAを受ける28卒の就活生に向けたものです。会社が有価証券報告書に書いた数字を、企業研究と面接で使える形に並べます。直近の有報から出てきた事実は、「営業利益率33.5%。それでもROEは5期で18.3%から13.2%まで下がった。」です。

有報の数字(第53期)

売上高
745億円
純利益
182億円
ROE
13.2%
従業員数(連結)
1,322人
従業員数(単体)
690人
平均年間給与(単体)
884万円
平均年齢
42.0歳
平均勤続年数
10.7年

出典:MARUWAの有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」「従業員の状況」。平均年間給与・平均年齢・勤続年数は提出会社(単体)の値。

はじめに

MARUWAを受ける就活生は必ず読んでほしい。また、MARUWAに勤める若手社員、中間管理職の方にも読んでほしい。自社の有価証券報告書を通しで読んだことがある社員は、ほとんどいない。この記事を最後まで理解できれば、あなたはMARUWAの面接官より、この会社の論点を整理して語れるようになる。

※本記事の数値は、株式会社MARUWA 有価証券報告書 第53期(2025年4月1日-2026年3月31日)、および2027年3月期第1四半期決算短信・業績予想の修正に関するお知らせ(いずれも2026年7月29日公表)に基づきます。

結論:MARUWAは、本業の稼ぎが突出して高いのに、ROEが下がってきた会社だ。

知っておきたいことは3つある。

稼ぐ力:売上744億円に対し、営業利益率(売上のうち本業で残る利益の割合)は33.5%。

賭け先:新エネルギー車の基板、次世代高速通信、半導体装置用部品に経営資源を集めている。

論点:ROE(株主のお金でどれだけ利益を出したかの割合)は、5期前の18.3%から13.2%に下がった。

この記事では、賭けの中身、ROEが下がった理由、会社が予想を「出していない」理由の3点を確かめる。

第1章 MARUWAは何に賭けているのか

1-1. 賭け先は3つ——セラミックに集中している

MARUWAはセラミック(高温で焼き固めた素材)の会社だ。事業はセラミック部品と照明機器の2つで、セラミック部品が売上の85.7%、利益の92.0%を占める。

有報は「生成AIの技術革新や脱炭素社会の進展により飛躍が期待される市場に経営資源を集中させる」と書く。行き先は3つだ。新エネルギー車の高強度基板、次世代高速通信向けの電子部品、半導体製造装置に入る部品である。

面接での使い方

志望動機で「この3市場に賭ける会社だから」と根拠にできる。「3つのうち、どれが最初に育つか」は逆質問になる。

1-2. 賭けは設備投資に出ている——投資期から回収期へ

投資キャッシュ・フロー(設備や開発に使った現金の差し引き)は、約218億円の支出で前期の2.8倍だ。有報は「時代に先行して」設備投資を行うと書く。

前期は増収でも営業利益が7.2%減った。2027年3月期は売上933億円、営業利益337億円(前期比+34.9%)の予想だ。5月の予想を7月29日に上方修正しており、理由は次世代高速通信と半導体の需要増である。28卒が入る2028年4月は、この回収期のなかにある。

面接での使い方

志望動機に「投資を回収する時期に入社したい」と使える。「第2四半期以降の急加速を現場はどう見ているか」は逆質問になる。

1-3. ROEはなぜ下がったのか——資産の4割が現金

ROEは前期の16.2%から13.2%に下がった。主因は、資産が増えたのに売上が伸びなかったことだ。

総資産は14.3%増えたが、売上は3.7%しか増えていない。現金及び現金同等物が総資産の41.2%を占める。借金はほとんどなく、稼いだ現金が積み上がった形だ。現金は置いたままでは売上を生まない。

面接での使い方

課題指摘で「利益を現金のまま持つ構造がROEを押し下げている」と語れる。「現金を今後どの事業に振り向けるか」は逆質問になる。

1-4. 主力と照明機器の動きは逆——増収でも減益

主力のセラミック部品のセグメント利益(事業ごとの利益)は9.3%減った。一方、照明機器は49.0%増えた。

照明機器の主力は、トンネルや道路で使う公共照明だ。景気より予算で動く市場にあたる。半導体や車載のように景気で振れる事業と、予算で動く事業の両方を持つ構造だ。

面接での使い方

課題指摘で「主力が減益のなか、照明機器が下支えした」と整理できる。「照明機器をどこまで伸ばすか」は逆質問になる。

1-5. 働く側の数字——年収884万円、平均年齢は約42歳

連結従業員数は1,322人で、提出会社(単体)は690人だ。平均年齢は約42歳、平均勤続年数は約11年である。

平均年間給与は884万円で、前年から0.4%減った。女性役員比率は29.0%である。

面接での使い方

志望動機で「小規模で意思決定が近い」点と働く環境を語れる。「給与が横ばいのなか、回収期の成果はどう還元されるか」は逆質問になる。

第2章 セラミック部品メーカーの収益構造

2-1. なぜ営業利益率33.5%が出るのか

理由は3つある。第1に、材料から作っている。有報は「素材に強いMARUWAのセラミック材料技術」と書く。粉を配合し、焼き、加工する会社だ。

第2に、代わりがきかない。新エネルギー車の基板は、高温・高電圧に耐えながら絶縁も保つ必要がある。第3に、部品の値段が製品全体では小さい。だが壊れれば全体が止まるため、値切られにくい。

面接での使い方

志望動機で「利益率の高さには構造的な理由がある」と根拠にできる。

2-2. 経常利益と純利益の予想を「出していない」

決算短信の業績予想は、売上高と営業利益しか書かれていない。経常利益以下は「主に為替要因で変動することが想定され、現時点では見通しが困難」として開示していない。

背景は、日本とマレーシアで作り、世界で売る事業構造だ。外貨建ての売上が多く、前期も経常利益が営業利益を上回った。

面接での使い方

課題指摘で「為替の影響を受ける構造」を挙げられる。「為替に左右されにくい利益構造にどう近づけるか」は逆質問になる。

2-3. 重要な指標は「売上高営業利益率」ひとつ

有報は、売上高営業利益率を重要な指標と書く。ROEなど資本の効率を測る指標は、目標に置いていない。中期経営計画も、数値目標つきの形では出てこない。

営業利益率だけなら33.5%で申し分ない。だが現金が積み上がる問題は、この指標には映らない。

面接での使い方

1-3とつなげて課題指摘に使える。「営業利益率に加え、資本の使い方を測る指標を持つ予定はあるか」は逆質問になる。

MARUWAの構造的課題と追い風は、4つに分けて第3章で扱う(資産の4割が現金である/主力事業が減益で、脇の事業が伸びた/数年先を読み違えるリスクを、会社自身が挙げている/開示の量が少ない)。ここから先は有料パートで、第7章の課題回答に直結させる。

ここまでが無料パートです。営業利益率33.5%という異例の高収益でありながら、ROEが5期で18.3%から13.2%まで下がってきたこと。その最大の要因が総資産回転率の低下(0.543回→0.488回)で、背景に現金669億円=総資産の41.2%という資本構造があること。この期に投資キャッシュ・フローが2.8倍になり、現金が4期ぶりに減ったこと。そして経常利益以下の予想を「為替要因で見通しが困難」として開示していないこと。ここから先は、この構造を選考で使える武器に変える有料パートです。

  • 第3章 MARUWAが抱える構造的課題——資産の4割が現金である/主力事業が減益で、脇の事業が伸びた/数年先を読み違えるリスクを、会社自身が挙げている/開示の量が少ない
  • 第3.5章 面接前に押さえるMARUWAの最新ニュース10本——7月29日の上方修正、汎用メモリの需要拡大、配当110円まで
  • 第4章 内定者の正体——「セラミックの技術力に惹かれた」で落ちる理由、ES・面接の攻略、不合格パターン
  • 第5章 職種別キャリア分析——平均年収8,837,000円の読み方と、連結1,322人・単体690人の組織でのキャリア
  • 第6章 働く環境の現実——勤続10.71年の読み方、女性役員比率29.0%、財務から見る雇用の安定性
  • 第7章 面接攻略——財務を組み込んだ回答例と逆質問3本
  • 第8章 総合評価——推奨できる就活生と、慎重に検討すべき就活生

よくある質問

Q. MARUWAの平均年収はいくらですか。
A. 有価証券報告書(第53期)の「従業員の状況」によると、提出会社(単体)の平均年間給与は884万円です。連結の子会社や職種別の水準とは異なります。
Q. MARUWAの従業員数は何人ですか。
A. 有価証券報告書(第53期)では、提出会社(単体)が690人、連結が1,322人です。新卒で入るのが本体か子会社かで、この数字の意味は変わります。
Q. このページの数字の出典は何ですか。
A. MARUWAが金融庁に提出した有価証券報告書と決算短信です。EDINETで誰でも無料で原文を確認できます。
Q. 有料のnote記事では何が読めますか。
A. 業界の構造的課題、面接前に押さえる最新ニュース、内定者の選考と面接攻略、職種別キャリアと年収、IRを使った回答例と逆質問です(買い切り1,480円)。