三菱ケミカルグループへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、三菱ケミカルグループを中途で受ける人と、いま三菱ケミカルグループにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「コア営業利益2,250億円が、税引前利益7億11百万円になった——利益の88.3%は「化学」ではない」です。
決算の要点(有報から3点)
「化学会社」の利益の88.3%は産業ガス。コア営業利益で見ると、産業ガス2,007億6百万円(利益率14.8%)、スペシャリティマテリアルズ323億9百万円(3.0%)、MMA△15億38百万円、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ△41億59百万円。化学の本流にあたる2セグメントが赤字で、産業ガスがグループを支えています。セグメント資産でも産業ガスが51.7%、のれん8,910億円のうち6,835億56百万円(76.7%)も産業ガス。収益・資産・のれんのすべてが一点に集中しており、この事業が揺らいだときの代替がありません。
構造改革費用1,737億円は、まだ途中。当期の減損614億5百万円+リストラクチャリング引当金592億49百万円+特別退職金530億91百万円。コークス及び炭素材の生産停止は2028年3月期の見込みで、引当金は計上済みだが支出はこれからです。5期で従業員1万3,106人減、当期は希望退職も実施。田辺三菱製薬の譲渡で投資CFはプラス1,244億70百万円、現金は5,271億円に積み上がりました。——手元は厚いが、痛みの計上が終わっていない段階です。ROE 0.7%、PER 104.2倍という数字は、利益がほぼゼロだったことの裏返しであり、PERを水準として読むことに意味はありません。
重心はすでに日本にない。売上で増えたのは欧州のみ(+2.7%)、日本は△10.5%。非流動資産は欧州1兆2,870億円が日本9,390億円を上回り、日本は△13.5%。当期の買収もオーストラリアの産業ガス事業(715億21百万円、のれん274億85百万円)でした。国内の石化基盤から撤退しながら、海外の産業ガスに資本を振り向ける——その方向性は、数字として一貫しています。問題は、残る化学事業をどこまで縮小するのか、そして産業ガス1本足の収益構造をどう評価するかです。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
5万6,678人の内訳——産業ガス20,422人がスペシャリティを抜いた
赤字2セグメントに9,536人
三菱ケミカル㈱15,002人・平均年間給与884万6千円
前年比+8.7%。その理由も有報が書いている
持株会社は27人——前期から387人減った
全員が子会社からの出向者
女性管理職は連結子会社合計4.2%——前期より下がった
0.0%の会社が7社ある
中途でこの会社を受けるなら
4セグメントの利益率は14.8%・3.0%・△0.4%・△0.5%
経営企画部長が唸る逆質問10本
コア営業利益と税引前利益の差を、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。