古河電気工業への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、古河電気工業を中途で受ける人と、いま古河電気工業にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「利益は2.2倍、営業キャッシュ・フローは53.0%減——繰延税金資産981億円のうち752億円は「回収できない」と見ている」です。
決算の要点(有報から3点)
増益の主因はインフラ(光ファイバ)。ただし従業員の71.1%は電装エレクトロニクス。インフラ事業のセグメント利益は57億円 → 214億39百万円(+276.1%)で、当期の増益のほぼすべてを説明します。設備投資も115億77百万円 → 254億32百万円(2.2倍)と、需要に対応した増産が進んでいます。一方、電装エレクトロニクス(34,934人・71.1%)は利益率4.5%、1人あたり97万円で横ばい(+3.9%)。サービス・開発等は67億3百万円の損失で、赤字が拡大しました。——会社全体の評価は、インフラ事業の需要がどこまで続くかにかかっています。
繰延税金資産の76.7%が「回収できない」と見積もられている。繰延税金資産の総額981億18百万円に対し、評価性引当額は752億56百万円。計上されているのは相殺前で228億61百万円、貸借対照表上は37億71百万円です。監査法人は「一部の事業で業績改善の遅れが続いている」「原燃料・物流費増加や銅価高騰の影響等による事業環境の不透明感が継続」と明記しています。評価性引当額が大きいということは、「過去に出した損失を、将来の利益で取り戻せる見込みが立っていない部分が大きい」ということです。逆に言えば、業績がさらに改善すれば、評価性引当額の取り崩しにより利益が押し上げられる余地もあります。
利益2.2倍の年に、営業キャッシュ・フローは53.0%減。営業CF 281億16百万円に対し、投資CF △471億37百万円で、フリー・キャッシュ・フローはマイナス190億21百万円。財務活動で199億30百万円を調達しました。原材料及び貯蔵品が+17.8%(銅価高騰の影響と読める)、その他流動資産が+47.4%と運転資本が膨らんでいます。利益とキャッシュが乖離している年は、必ず理由があります。——この会社の場合、増産投資と運転資本の増加、そして原材料価格です。銅価が下がれば運転資本は戻りますが、同時に売上単価も下がります。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
4万9,112人の内訳——電装エレクトロニクスが34,934人で71.1%
5期で1,755人減っている
提出会社4,009人・平均年間給与749万4,597円(+7.3%)
フジクラ934万8千円との差は185万3千円
賃金は「毎年の春季労使交渉を通じて決定」
有報に書かれた賃金決定の考え方
女性管理職6.3%——連結子会社10社のうち2社は0.0%
提出会社・国内連結子会社グループでは5.2%
中途でこの会社を受けるなら
3事業の利益率は10.2%・5.9%・4.5%
経営企画部長が唸る逆質問10本
繰延税金資産と営業CFの乖離を、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。