フジクラへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、フジクラを中途で受ける人と、いまフジクラにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「ROE 32.48%、PERは5期で4.41倍から43.08倍へ——監査法人が新たに挙げたのは、米国税関の是正措置で積んだ136億円」です。
決算の要点(有報から3点)
利益の80.9%を、従業員の30.0%が稼いでいる。情報通信事業部門はセグメント利益1,527億29百万円、利益率23.4%。従業員15,199人(30.0%)です。対して自動車事業部門は21,993人(43.5%)で68億9百万円(3.6%)、1人あたり31万円。——この会社の評価は、実質的に情報通信事業部門の評価です。データセンター向け光ファイバ需要が、米国(売上の44.2%)と「その他」地域(+61.0%)で拡大しています。ただしPER 43.08倍は、その成長が続く前提で織り込まれた水準です。5期前は4.41倍でした。
関税が、会計上の論点として現れた。米国子会社AFL社がCBPから原産国の判断の相違で是正措置を受け、類似取引分も含めて関税引当金136億24百万円を計上しました。これはセグメント利益合計の7.2%にあたります。監査法人は「関税に関する内部専門家」を関与させて検証しており、このシリーズで解剖した46社の中で、関税が単独のKAMになったのは初めてです。売上の44.2%が米国という構造を考えると、この論点は今後も続きます。(クボタでも欧州子会社が米国向け受注減で減損していましたが、あちらは事業影響、こちらは会計上の負債です。)
財務は厚く、還元も増えているが、成長の中身を見る必要がある。自己資本比率57.80%(5期で21.74ポイント改善)、営業CFは5期連続増加、配当は10円から225円へ22.5倍(提出会社ベース)、2026年4月に1株→6株の株式分割。ここまでは全部プラス材料です。一方、従業員数は5期で1,848人減り、中国売上は△12.8%、中国光素線事業の回復は「比較的短期間における景気動向に基づくもの」と監査法人が評価しています。成長が光ファイバ1本足である以上、その市場の循環が、そのままこの会社の業績の循環になります。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
5万586人の内訳——自動車が21,993人で43.5%
不動産事業部門は22人
提出会社2,333人・平均年間給与934万8千円(+7.8%)
2026年春季交渉で組合員平均7%超の賃上げ
2026年7月にDBからDCへ100%移行する
退職給付制度が変わる
女性管理職4.8%——目標は2028年度までに6.0%以上
連結子会社11社のうち5社は「-」
中途でこの会社を受けるなら
5事業の利益率は44.9%から3.8%まで
経営企画部長が唸る逆質問10本
関税引当金と情報通信一本足を、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。