小松製作所への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、小松製作所を中途で受ける人と、いま小松製作所にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「増収なのに営業利益は13.7%減、原因は米国関税——そして249人が1兆5,053億円の債権を持っている」です。
決算の要点(有報から3点)
減益の原因は明確で、会社も隠していない。売上原価率が69.5%へ1.7ポイント上昇し、その理由を有報は「米国関税の影響などにより」と明記しました。建機のセグメント利益は1,077億56百万円の減少で、為替の影響はうち約25億円だけ。つまり関税とコスト増と数量減です。海外売上比率89.7%の会社なので、通商政策の変化はそのまま損益に出ます。逆に言えば、関税が剥落すれば利益率は戻る——市場がPERを9.1倍から14.5倍へ引き上げたのは、その読みでしょう。その前提が正しいかどうかが、この銘柄の中心論点です。
建機以外の2事業が、確実に育っている。リテールファイナンス+24.4%(金利上昇が追い風)、産業機械他+38.5%(自動車の大型プレス、半導体のエキシマレーザー)。セグメント利益に占める比率は合わせて13.0%とまだ小さいものの、建機が18.0%減る年に2つとも2桁増益したことの意味は小さくありません。景気循環の谷を浅くする構造ができつつあります。
1兆5,053億円の債権が、この会社のもう一つの顔。監査法人はKAMをここに置き、担保である中古建機の市場価格まで検証対象にしています。引当金は203億23百万円で債権の1.35%。建機が売れるということは、同時に債権が増えるということでもあります。資源価格や建設需要が崩れたとき、損益より先にこの債権が痛む——決算を読むときは、売上より先にこの残高と引当率を見るのが正しい順番です。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
249人で365億円——1人あたり1億4,694万円のセグメント
建機は793万円。同じ会社の中で18.5倍の差
提出会社12,435人・平均年間給与902万4千円(+5.0%)
減益の年に5.0%上げている
労働組合員が約11,300人、グループで約17,800人
「労使関係は極めて安定しています」と書いてある
女性管理職9.2%、賃金差異79.5%
会社が「制度上の差はない」と明言し、理由を3つ挙げている
中途でこの会社を受けるなら
伸びているのは建機ではない2つ
経営企画部長が唸る逆質問10本
関税で減益した年に、何を聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。