セイコーエプソンへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、セイコーエプソンを中途で受ける人と、いまセイコーエプソンにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「増収なのに、利益が3段階で3分の1になった」です。
決算の要点(有報から3点)
当期の減益は、一過性と構造的なものが混ざっている。関税による費用増(事業利益△6.5%)とFieryののれん減損259億円は、単年度の要因と整理できます。一方で繰延税金資産を認識しなかった判断は、「その会社が将来利益を出せるかどうか」についての会社自身の見方を反映します。保守的に見たということなので、来期以降の回復シナリオはその分だけ慎重に見る必要があります。
3つのセグメントの方向がバラバラ。プリンティングは増収だが減損で減益、ビジュアルコミュニケーションは売上△11.0%・利益△57.8%で構造的に縮小、マニュファクチャリング関連・ウエアラブルは黒字転換で+13.6%の増収。規模で支えているのはプリンティング(売上の72.8%)、伸びているのはマニュファクチャリング関連——この2つがどこで交差するかが中期の焦点です。
ROEが5期で15.17%から2.20%へ、一貫して下がっている。売上は25.2%増えているので、規模ではなく収益性の問題です。自己資本比率55.61%・実質現金超過という厚い財務と、ROE2.20%という数字は、資本が使い切れていないことも示します。PERが33.76倍まで上がっているのは、利益が一時的に落ちた結果の見かけ上の高さなので、回復後の利益水準で評価し直す必要があります。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
7万4,619人のうち、5万1,926人がプリンティング
1人あたりセグメント利益は232万円と105万円
提出会社1万2,311人、平均年間給与808万7千円
増減率+1.8%は、この期に解剖した会社で最も低い
本体1万2,311人は、連結の16.5%
そして2,868人が「全社(共通)」
女性管理職5.9%と、国内グループ10社の0.0%が4社
ただし管理職層の賃金差異は97.8%
中途でこの会社を受けるなら
3つのセグメントの方向がバラバラという意味
経営企画部長が唸る逆質問10本
3段階で利益が削られた会社に、何を聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。