村田製作所への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、村田製作所を中途で受ける人と、いま村田製作所にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「コンポーネントが3,151億円稼ぎ、他の2事業が332億円を食った」です。
決算の要点(有報から3点)
同じ会社の中で、2つのセグメントが逆を向いている。コンポーネント(MLCC等)は売上+12.6%・営業利益3,151億円・ROIC 22.4%。デバイス・モジュール(高周波モジュール、電池等)は売上△5.9%・営業損失264億円・ROIC△3.5%。片方が稼いだ利益を、もう片方が削っている構造です。ROICをセグメント別に開示しているのは、会社自身がこの問題を認識している証拠でもあります。
受注残高が55.2%増、コンデンサは89.5%増。サーバー向けの積層セラミックコンデンサの受注が売上を上回りました。AIデータセンター需要が、受注の側で先に見えている状態です。一方で高周波・通信の受注高は6.8%減で、スマートフォン市場の回復はまだ数字になっていません。来期はコンポーネントがさらに伸び、デバイス・モジュールがどこまで戻るかという構図になります。
財務が厚すぎることが、資本効率の制約になっている。自己資本比率85.0%、現金6,537億円、営業キャッシュ・フロー4,252億円。営業利益率15.4%という高い収益性を持ちながら、ROEは8.8%。ROICも投下資本の増加で9.7%へ低下しました。設備投資を先行させている局面なので、その投資が受注残高を売上に変えられるかが、ROICの回復条件になります。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
7万4,302人のうち、4万2,813人がコンポーネント
1人あたり営業利益736万円と、△107万円
提出会社1万1,174人、平均年間給与838万2千円
平均年齢40.5歳・勤続14.4年
女性管理職4.4%——ただし海外連結子会社は12.9%
国内3.5%との差を、会社が数字で分けている
賃金差異65.1%の理由を、職種別人員構成の表で説明している
男性の75.9%が総合職、女性の54.0%が一般職
中途でこの会社を受けるなら
2つのセグメントは、まったく違う局面にある
経営企画部長が唸る逆質問10本
セグメント別ROICを開示する会社に、何を聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。