スズキへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、スズキを中途で受ける人と、いまスズキにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「2030年度の目標を、初年度でほぼ達成してしまった」です。
決算の要点(有報から3点)
5年計画の利益目標を、初年度で達成してしまった。2030年度の目標は営業利益率10.0%・ROE13.0%。当期は9.9%・13.8%。残るのは売上高8兆円(当期比+27.1%)だけです。目標が保守的だったのか、初年度が良すぎたのか——ここが最大の論点で、次の中期計画の改定があるかどうかが焦点になります。
利益の源泉がインドに寄っている。増収の主因はインドのGST改定、二輪の伸びもインドとコロンビア、そしてマルチ・スズキ・インディア社が投資信託に約1兆円を持ち、今後のインド生産能力増強はその資金で行うと明記されています。成長も現金も、インド子会社の中で完結しつつある。一方でマリン事業は米国関税で13.0%の減益——通商政策の影響が、事業ごとに違う形で出ています。
営業減益の中身は、投資の拡大である。会社は「稼ぐ力の向上による増益効果」が原材料価格上昇を上回ったとしたうえで、減益の理由を「持続的な成長に向けた人財や技術への投資を拡大したこと」と説明しています。費用が膨らんだのではなく、使ったという整理。6年間で4兆円という成長投資の配分が示されている以上、この減益は当面続く前提で見るべきです。PER8.2倍という評価は、そこへの警戒とも読めます。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
7万6,889人のほかに、臨時雇用が5万7,922人
四輪事業だけで5万2,100人、正規の78.2%
1人あたり営業利益は、四輪821万円・マリン1,817万円
1,464人の事業が、6万6,660人の事業の2.2倍
提出会社1万7,871人、平均年間給与827万6,061円
平均年齢41歳6ヶ月・勤続18年6ヶ月の意味
女性管理職2.2%と、連結子会社63社のうち32社が0.0%
ここまで解剖した会社で最も低い水準
中途でこの会社を受けるなら
本体1万7,871人の80.7%は四輪にいる
経営企画部長が唸る逆質問10本
目標を初年度で達成した会社に、何を聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。