ヤマハ発動機への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、ヤマハ発動機を中途で受ける人と、いまヤマハ発動機にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「税引前1,331億円が、当期利益161億円になった——税負担率73.8%、そして本業の親会社帰属利益は1億72百万円の赤字」です。
決算の要点(有報から3点)
利益が消えた理由は、税金と、繰延税金資産の取り崩し。税引前当期利益1,331億96百万円は前期比△27.3%にとどまりましたが、法人所得税費用982億58百万円(+67.7%)により、親会社帰属の当期利益は161億9百万円(△85.1%)まで落ちました。平均実際負担税率73.8%、そのうち「未認識の繰延税金資産の増減」が+43.1ポイント、繰延税金資産の評価減が563億13百万円。これは現金の流出ではありませんが、経営者が将来の課税所得の見通しを引き下げたことを意味します。ROE 1.4%、PER 69.9倍という数字は、水準として読むべきものではありません。
本業の親会社帰属利益はゼロ。稼いだのは金融サービス。連結損益計算書を分解すると、金融サービス事業の親会社帰属利益162億81百万円に対し、それ以外の事業は△1億72百万円。セグメントでは、アウトドアランドビークルが売上の26.8%にあたる397億57百万円の営業損失(減損88億76百万円を含む)、ロボティクスは利益率1.5%、その他も188億77百万円の損失。利益が出ているのは、ランドモビリティ(6.7%)、マリン(10.2%)、金融サービス(18.5%)の3つだけです。上期530億61百万円の黒字に対し、下期は369億52百万円の赤字(記事側の計算)でした。
金利4.12%の借入9,543億円を抱えている。借入金は9,543億16百万円(+749億35百万円)で、平均利率4.12%。親会社所有者帰属持分比率は39.0%へ低下(前期41.7%)。国内社債の利率も0.320%から1.453%へ上昇しています。販売金融(金融サービス事業)を持つメーカーは、調達金利の上昇が直接収益を圧迫します。——金融サービスが最も収益性の高いセグメントであるだけに、ここは両刃の剣です。会社は「将来的には、当社が保持する全ての事業がROIC 12.5%を上回る経営を目指します」としており、事業ポートフォリオの選別が、この先も続きます。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
5万5,176人の内訳——ランドモビリティだけで3万9,990人
金融サービスは946人で利益率18.5%
提出会社12,082人・平均年間給与834万7,789円
1年で1,153人増えた理由も書かれている
女性管理職3.7%——このシリーズで最も低い
国内子会社18社のうち、7社が0.0%
中途でこの会社を受けるなら
コア事業・戦略事業・新規事業の3分類と、ROIC 12.5%
経営企画部長が唸る逆質問10本
繰延税金資産の取り崩しを、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。