三井物産への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、三井物産を中途で受ける人と、いま三井物産にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「663人が2,536億円、2万221人が519億円——資本的支出の73.3%は金属資源へ向かい、非流動資産はオーストラリアが日本を抜いた」です。
決算の要点(有報から3点)
利益は3期連続の減少、ROEは5期連続の低下。当期利益は1兆1,306億30百万円(第104期)→ 8,339億71百万円で、ピークから26.2%減。ROEは17.98% → 10.22%。一方PERは20.47倍(前期9.13倍)まで上昇しました。PERが上がったのは株価ではなく利益が減ったからという読み方も、市場が将来の回復を織り込み始めたという読み方も、どちらも可能です。同じ商社セクターでは三菱商事もROEが4期で15.8%から8.5%へ半減しており、資源価格のピークアウトが商社全体の収益構造に効いているのが現在地です。
投資は資源に集中し、資産の置き場所は日本からオーストラリアへ移った。資本的支出1兆1,095億87百万円のうち金属資源が8,130億27百万円(73.3%)、エネルギーと合わせて88.4%。その結果、非流動資産はオーストラリアが1兆8,091億83百万円と2.24倍になり、日本(1兆412億71百万円)を上回りました。総資産は1年で4兆100億19百万円増加(+23.9%)し、親会社所有者帰属持分比率は42.11%へ低下、投資CFは△1兆335億22百万円で6.4倍、財務CFはプラスに転じました(前期△7,496億2百万円)。利益が減る局面で、資源に大きく張った——この投資が回収されるかどうかが、次の5年を決めます。
KAM2本は、どちらも会社がコントロールできない変数。将来油価前提(対象資産だけで2兆605億53百万円)と、サハリンⅡ事業の投資評価(残高588億40百万円)。監査報告書には「ホルムズ海峡の通航制限」「ロシアの格付けなどを反映した割引率」といった記述が並びます。加えて、機械・インフラの再生可能エネルギーMainstream事業では当期280億50百万円の損失を計上しました。総合商社の利益は、事業の巧拙だけでなく、地政学と資源価格で決まる部分が大きい。——この構造を前提に評価する必要があります。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
5万5,463人の内訳——生活産業だけで2万221人
外に臨時従業員4万4,207人がいる
提出会社5,333人・平均年間給与2,058万9千円
このシリーズで最高水準。平均年齢42.0歳
女性管理職12.0%、賃金格差64.9%——階層内では91.0%
2031年3月期に20%という目標も明記されている
中途でこの会社を受けるなら
7セグメントの1人あたり利益は3億8,251万円から257万円まで
経営企画部長が唸る逆質問10本
資本的支出の73.3%とサハリンⅡを、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。