住友商事への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、住友商事を中途で受ける人と、いま住友商事にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「増益385億円のうち380億円は「消去又は全社」」です。
決算の要点(有報から3点)
増益の中身が、事業ではない。当期利益6,003億円(+385億円)に対し、9セグメント合計は+5億円。差の380億円は「消去又は全社」の繰越欠損金等に対する税効果計上です。利益の水準は高いが、当期の増益は事業の成長によるものではない——これが最も重要な事実です。
一過性が両方向に乗っている。プラスは鉄鋼の資産入替関連益、自動車のマイダス社売却益、都市総合開発の大口案件引渡し、エネルギーの電力EPC特殊利益。マイナスは輸送機・建機の前期特殊利益の反動減とライフスタイルのメロン事業売却損。有報がこれを全部書いているので、読み手は自分で戻して評価できます。
財務の形が変わった。総資産が2兆72億円増えて13兆6,383億円、一方で持分は199億円減り、自己資本比率は40.0%から33.9%へ6.1ポイント低下。同時に営業キャッシュ・フローは8,134億円で5期最大、現金は初めて1兆円を超えました。資産を増やしながらレバレッジを上げ、キャッシュは厚くした年です。翌期計画6,300億円には△300億円のバッファーが織り込まれています。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
8万2,488人のうち、資源グループは867人
1人あたり当期利益9,493万円と、△21万円の落差
提出会社4,938人、平均年間給与1,840万2,971円
嘱託を除くと1,890万6,975円と、有報が別に書いている
4,938人のうち1,639人が他社への出向
本体社員の3人に1人が、社外にいる
「最上位等級では年収の約30%が会社業績と連動する」
報酬の設計が、有報に数字で書かれている
女性管理職11.2%と、男女間賃金差異63.1%
2022年に職掌を一本化した会社の、現在地と2030年目標
中途でこの会社を受けるなら
9つのグループは、9つの別会社と考える
経営企画部長が唸る逆質問10本
「税効果で増益した会社」に、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。