NIPPON EXPRESS HDへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、NIPPON EXPRESS HDを中途で受ける人と、いまNIPPON EXPRESS HDにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「営業利益は増えたのに、最終利益は91.5%消えた」です。
決算の要点(有報から3点)
当期の最終利益26億円は、この会社の実力ではない。営業利益は514億円で+4.9%、セグメント利益の合計も+1.0%。本業は伸びています。最終利益が消えた直接の原因は、欧州ののれん減損592億円と、それに伴う実効税率90.01%です。のれんの減損は損金にならないため、利益が減っても税金が減らない——この非対称が今期の数字を作りました。ただし現金は出ていきません。
問題は、減損が「終わり」なのか「途中」なのか。欧州のれんは838億円から542億円へ落ちましたが、まだ542億円残っています。減損の理由は「収益性の低下」と「割引率の上昇」で、どちらも来期に解消する保証はありません。欧州セグメント利益が57.4%減った状態が続けば、追加の減損は十分あり得ます。ここが最大の論点です。
資産の整理は、一過性ではなく方針として進んでいる。「ROIC5%を下回る低収益な事業用資産及び投資用不動産」を売却・セール&リースバックする方針が明記され、その他の収益930億円・その他の費用1,066億円という形で数字に出ています。バランスシートを軽くしながら、日本事業の収益性で稼ぐ形に作り替えている途中——そう読むのが素直です。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
7万7,925名のうち、日本が3万7,891名
1人あたりセグメント利益は、916名の事業が最高
提出会社は296名の持株会社、平均年間給与833万1千円
平均勤続22.2年という数字の意味
日本通運の当期純利益が、経常利益の2.3倍になっている
連結の数字だけ見ていると気づけない
女性管理職4.1%(日本通運)と、グループ9社の落差
賃金差異142.7%の会社もある
中途でこの会社を受けるなら
入る会社は「NIPPON EXPRESSホールディングス」ではない
経営企画部長が唸る逆質問10本
減損と実効税率の会社に、何を聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。