資生堂への転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、資生堂を中途で受ける人と、いま資生堂にいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「最終赤字407億円より、のれんの減損468億円のほうが大きい。社員は5年で8,988人減り、5,982人がセグメント利益の64.7%を稼ぐ」です。
資生堂の平均年収・従業員数・勤続年数(有報・第126期)
- 平均年間給与(単体)
- 708万円
- 平均年齢(単体)
- 39.3歳
- 平均勤続年数(単体)
- 11.2年
- 従業員数(単体)
- 3,850人
- 従業員数(連結)
- 26,330人
- 売上高
- 9,700億円
- 純利益
- −407億円
- ROE
- -6.6%
出典:資生堂の有価証券報告書(第126期)「主要な経営指標等の推移」「従業員の状況」。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数(単体)は提出会社の値。
資生堂の決算の要点(有報から3点)
★ 最終赤字407億円は、のれんの減損468億円より小さい。本業のコア営業利益は445億円で、前期比22.4%増えています。赤字は、米州事業に配分されたのれんの評価切り下げによるものです。
★ セグメント利益の64.7%は中国・トラベルリテール。ただし前期の75.7%から下がり、日本が27.2%から39.1%へ上がりました。日本の増益は、売上+0.4%に対してコア営業利益+50.6%で、コスト側の改善が大きい。
★ 米州は本業でも赤字(△116億円)、資産でも減損(468億円)。米州の苦戦が2つの形で出ています。「Drunk Elephant」などの商標権658億円は減損されていませんが、減損後の回収可能価額は帳簿価額と同額で、仮定が悪化すればさらなる減損が生じると有報は書いています。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
2万6,330人がどこに配置されているか
日本8,816人(33.5%)、中国・トラベルリテール5,982人(22.7%)、全社(共通)4,868人(18.5%)。人数の順と、利益の順が一致しません
1人あたりコア営業利益を5地域で比べる
中国・トラベルリテール1,079万円、日本442万円、アジアパシフィック214万円、欧州145万円、米州△739万円
本社費用などの「調整額」552億円は、セグメント利益の55.3%
全社(共通)4,868人と、この数字の関係
提出会社3,850人の平均年齢39.3歳・勤続11.2年・平均年収708万円
3,850人全員が「全社(共通)」に所属しているという意味
5年で8,988人減ったあと、会社は人に何を約束しているか
「2025年比3倍規模の人財開発投資」と、リスクレベルが上がった「組織能力と組織風土」
女性管理職比率——本社38.9%、国内グループ43.3%
そして男女の賃金の差異、本社81.1%と資生堂ジャパン58.2%の差をどう読むか
中途でこの会社を受けるなら
どの地域・どの機能を受けるかで、見るべき数字がまったく変わります
経営企画部長が唸る逆質問10本
有報の数字を根拠にした質問と、その質問が刺さる理由
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年3月の有報で何を確認すれば、自分の部署の立ち位置が分かるか
資生堂の中途採用の面接までにやる3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。