ソフトバンクへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、ソフトバンクを中途で受ける人と、いまソフトバンクにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「のれん2兆1,893億円は、自己資本の74.0%——資産が2兆4,000億円増えた中身は、通信ではなかった」です。
決算の要点(有報から3点)
のれんが自己資本の74.0%。KAMもそこ。のれん2兆1,893億85百万円に対し、親会社の所有者に帰属する持分は2兆9,578億59百万円。親会社所有者帰属持分比率は16.0%(前期17.0%から低下)です。のれんの67.6%はメディアCGU(9,396億79百万円)とファイナンスCGU(5,410億円)に配分されており、評価の前提は広告市場のシェア予想と決済取扱高・手数料率の予想。そのメディア・EC事業は当期が減益(段階取得差益を除くと△24.3%)でした。のれんの回収シナリオが、実績とどう噛み合うかが最大の論点です。
利益の構造は「コンシューマが稼ぎ、メディア・ECが人を抱える」。セグメント利益の49.8%はコンシューマ(7,037人)、従業員の43.2%はメディア・EC(25,261人)。1人あたりでは7,827万円 vs 776万円(段階取得差益除き)で10.1倍の開きがあります。伸びているのはファイナンス(+107.1%、利益率22.7%)とディストリビューション(売上+30.9%)。通信の安定収益を、新領域の育成に回している構図が、そのまま数字に出ています。
貸借対照表が金融化している。資産が2兆4,000億円(+14.9%)増えた主因は、その他の金融資産+1兆1,597億円と銀行事業の有価証券+5,334億円。負債側は銀行事業の預金+7,600億円、有利子負債+5,224億円。LINE Bank Taiwanの子会社化とPayPay銀行の貸付金・預金増が背景です。これは通信設備投資とは性格の違う資産で、金利・信用リスクを伴います。同時に、フリー・キャッシュ・フローは1,230億円へ3分の1に減少(調整後は6,092億円)。「どの指標で会社を見るか」を、投資家の側が決める必要がある決算です。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
5万8,432人の内訳——メディア・ECだけで25,261人
外に臨時従業員2万2,906人がいる
提出会社19,150人・平均年間給与871万3千円
平均年齢42.0歳・勤続14.8年。通信会社の本体はここ
女性管理職10.9%——連結子会社29社の数字が全部載っている
48.8%から5.4%まで、会社によって別世界
中途でこの会社を受けるなら
5事業の利益率は18.4%・19.8%・3.8%・14.7%・22.7%
経営企画部長が唸る逆質問10本
のれんとFCFの3つの定義を、どう聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。