セコムへの転職前に、有価証券報告書で確かめること
このページは、セコムを中途で受ける人と、いまセコムにいる人に向けたものです。求人票や口コミには載らない、会社自身が有価証券報告書に書いた数字を並べます。直近の有報から出てきた事実は、「ALSOKとほぼ同じ人数で、売上は2.1倍——1人あたり1,931万円と892万円の差はどこから来るか」です。
決算の要点(有報から3点)
同じ人数で売上2.1倍。差は「人を張り付けるかどうか」。セコム65,094人・1兆2,568億円(1人あたり1,931万円)に対し、ALSOK 66,949人・5,970億円(892万円)。そしてセキュリティ事業の営業利益率はセコム18.4%、ALSOK 10.8%。セコムの主力はオンライン・セキュリティシステム(機械警備)で、契約が増えても人が比例して増えません。警備会社を比較するときは、売上でも人数でもなく「1人あたり売上」と「本業の利益率」を見るべきだ——2社を並べると、そう結論できます。
財務は日本企業でも屈指。ただしROEは8%台で動かない。有利子負債687億円に対し現金4,066億円、キャッシュ・フロー対有利子負債比率0.3年、時価ベースの自己資本比率109.5%。フリーキャッシュ・フロー1,149億円を稼ぎ、自己株式600億円+配当411億円で還元しました。それでもROEは5期連続8%台で、ROEだけならALSOK(9.2%)に負けています。資本が厚すぎることが、唯一の弱点です。
監査上の最大の論点は、警備ではなく医療。提携先医療法人等への貸付金193億37百万円に、貸倒引当金78億38百万円(引当率40.5%)。診療報酬改定という、自社では制御できない要因が回収可能性を左右します。メディカルサービス事業は売上921億円で全体の7%程度ですが、リスクの所在は規模に比例しない——KAMはそれを教えてくれます。
転職前に確かめる数字(有料レポートの目次)
6万5,094人の内訳——セキュリティ41,172人、BPO・ICT 10,882人
1人あたり営業利益はセキュリティ301万円、ALSOKは170万円
提出会社15,991人・平均年間給与672万9千円(+2.7%)
ALSOKは622万1千円。50万円の差の意味
組合員18,256人、ユニオンショップ制
上部団体には加盟していない
女性管理職は「役職者全体13.4%、課長級以上9.4%」
2つに分けて開示している会社は少ない
中途でこの会社を受けるなら
6つの非警備事業が、全体の約半分
経営企画部長が唸る逆質問10本
ROEが5期連続8%台の会社に、何を聞くか
入社後も、自分で有報を読み続けるために
毎年見るべき3か所
面接までの3ステップ
① 「従業員の状況」で、提出会社と連結の人数・平均年収・勤続を見る
有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社(本体)と連結の従業員数、平均年間給与、平均勤続年数が載っています。自分が入るのが本体なのか子会社なのかで、この数字の意味は変わります。
② 「セグメント情報」で、自分が受ける事業の利益率を見る
注記の「セグメント情報」で、自分が受ける事業の売上と利益を見ます。会社全体の利益率と、その事業の利益率が同じとは限りません。
③ その数字から、逆質問を1本作る
上の2つの数字を組み合わせて、逆質問を1本作ります。「この事業の利益率は全社平均より低いですが、どう変える計画ですか」のように、有報を読んだ人にしか出せない問いになります。